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03 Glänta

スウェーデン語でグレンタと発音。

「森の中で陽のあたっている開けた場所」を意味します。そういう場所を一言で表せる言葉というのが素敵だなと思います。

 

新譜に収録するのにuna cordaのピアノソロを入れたくて何気なく弾いていたらモチーフとなる最初の8小節がすっと出てきたのでそのままの勢いでアレンジを完成させました。

 

個人的に森というのはどこか神聖な場所であって、踏み入るときはお邪魔させてもらうような感覚があります。木々が生い茂る中で、陽の光が射す開かれた場所というのは、特別な場所のような雰囲気を感じます。

 

 

陽の光、風、動物、虫、植物など自然と生命が集える場所。人も生命なので、魂のようなようなものもそこに導かれて穏やかな時間が流れていく。すべての生命は個々に違い、それを何かで比較することもなく、肯定も否定もしない。あるべきものがそのままそこにあるだけ、そういう世界があってもいいなと思います。

 

 

ちなみに曲を作ってから練習をしていい感じに仕上がってきたので、音源をリリースする前にアップライトピアノを演奏した動画を撮影しました。

後半部からリズミカルな雰囲気になりますが、自然の中で気持ちを開放するイメージです。個人的に本質的に生命は躍動するのが美しいと思っているので、躍動することに音で応える、共鳴しあうような世界を描きたいと思いました。

 

人はあるべき場所、つまり躍動できる、輝ける場所へ行く方がいいと思っています。自分へのアドバイスのようなことでもあるけれど、くすぶったまま人生を過ごすのは、本当にもったいない。何回も失敗しながらでも、何度道を間違えたとしても、心が休まる場所へ自分を移してあげる。グレンタのように森の中にある陽の射す開けた場所を見つけ、そこで安らぐために。

 

大好きで尊敬してやまない故 星野道夫さんの言葉を引用します。

 

ぼくが暮らしているここだけが世界ではない

[出典:Michio’s Northern Dreams 5 大いなる旅路]

 

創作の時はいつも心にある一文で、表現の拠り所のひとつになっています。

 

同じ地球上、けれどはるか遠くの世界を想像することの深遠さと大切さを教えてくれますが、自分が今の現状に何か違和感を感じるのなら、いるべき場所はそこではなく、違う場所にあるということも示唆してくれているような気もしています。

 

 

状況が悪くて思考の視野が狭くなっている時に、木々が生い茂り暗くなった心の片隅にそっと陽の光を当てるように、自分がいるべき場所へと道が通じていければいいなと勝手に解釈しています。

 

 

Glänta ピアノソロ譜
https://tinorks.thebase.in/items/38366990

 

音数は少なく、使う音域も広くないですし、テンポが自由に揺れても世界観が醸し出される曲なので、演奏して楽しむのもいいかもしれません。よかったら弾いてみてください。

01 MORINO HAJIMARI

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06 Norrsken

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